お猫様の寿命は人よりもかなり短いです。
一般社団法人ペットフード協会の「令和2年全国犬猫飼育実態調査」によると、お猫様全体では約15年とのこと。
日本人の平均寿命の約1/5くらいです。
ということは、人間は60歳以上が高齢者ですから、お猫様にとってはだいたい9歳くらいから高齢(シニア)猫ということになるでしょうか。
人は、高齢になると食べ物に気を配ったりし始めますが、お猫様のお食事はどう変えていけばいいのでしょうか。
今回は、シニアのお猫様のお食事について注意事項をまとめました。
シニア猫用のキャットフードにすぐに変える必要はない
キャットフードの中には、「○歳~○歳用」とか、「○歳以上用」などの記載があるものもあります。
このことから、「○歳になったらフードを変えないといけないのか」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
でも、少し考えてみましょう。
人間だって、例えば60歳になったからと言って、急に食生活を変えなければいけない訳ではないですよね。
60歳になったから、からあげを食べてはダメと言われたら悲しいですよね。
高齢になれば一般的に活動量が落ちてくるため、必要とするエネルギー量が変わったりはしますが、必要とする栄養素が大きく変わる訳ではありません。
また、活動量がどの程度落ちるかは人それぞれです。
お猫様も同じです。
基本的に必要とする栄養素は変わりません。
よって、何歳になったからと言って、急にフードを変える必要はありません。
お食事の量に注意
お猫様が高齢になってくると変わってくるのが「お食事の量」です。
活動量が減ってきますので、お食事の量は減ってきます。
必要なエネルギー量が減りますので、お食事の量が減るのは当然です。
ただ、問題となる場合もあります。
それは、お猫様がお痩せになってきた場合です。
この場合は、必要なエネルギー量を確保できていない可能性がありますので、対策が必要です。
【対策①】フードを食べやすくする
人間の場合もそうですが、高齢になってくると胃腸の働きが弱くなります。
このことが原因でお食事の量が減ると、必要なエネルギーを確保できず、痩せてしまいます。
この解決策として、消化・吸収のよいフードにしてあげること考えられます。
具体的には、次の方法があります。
- ドライフードを細かく砕いで差し上げる
- ドライフードに水などをかけてふやかして差し上げる
- ウェットフードを差し上げる
これらの方法により、お猫様の胃腸の負担が減りますので、お食事の量を増やすことができる可能性があります。
【対策②】シニア用のフードに変える
次に考えられるのが、シニア用のフードに変える方法です。
成猫用のフードとシニア用のフードで何が違うのか。
具体例で解説していきます。
過去の記事で紹介したドライフードの「ブラバンソンヌ」には、成猫用(1~9歳)とシニア猫用が用意されています。
違いについて明確にするために、成分表を比較してみましょう。
たんぱく質 | 脂質 | 灰分 | 繊維 | 水分 | 炭水化物 | エネルギー(100g当たり) | |
成猫用 | 29% | 16% | 7.5% | 3.5% | 9% | 35% | 414㎉ |
シニア猫用 | 30% | 22.5% | 7.5% | 3.5% | 9% | 33% | 447㎉ |
違いは一目瞭然ですね。
脂質について、シニア猫用のものの方が多くなっています。
脂質は、g当たりカロリーが大きいです。
たんぱく質や炭水化物が概ね1gあたり4㎉であるのに対し、脂質は1g当たり9㎉もあります。
よって、少ない量でもエネルギーを確保できることになります。
実際に、100g当たりのエネルギー量はシニア猫用の方が多くなっていますね。
シニア猫用のフードに変えることにより、食べる量が減っても必要なエネルギー量を確保することができます。
まとめ
何歳になったから、すぐにシニア猫用のフードに変えなければならないということはありません。
ただし、お猫様がお痩せになってきた場合は、胃腸の働きの低下に伴う食事量の低下により、必要なエネルギー量を確保できていない可能性がありますので、お猫様のお食事を改善する必要があります。
方法としては、次の2つが考えられます。
- フードを食べやすくする
- シニア猫用のフードに変える
お猫様には長生きしてもらいたいものです。
そのためにも、お猫様のお食事を整えてあげることが重要です。